まちの将来像を描く


Pocket

墨田区 【まちづくりと色彩の勉強会】 2011年
19

住民の方々と共有するまちの将来像

自分たちの住む町並みの色について興味を深めてもらいたいと、
墨田区で色のワークショップを行いました。
測色体験を通して実際に建っている建物の色について理解を深めたり、
カラーシミュレーションを行いながら今後のまちのイメージを共有したりと、
3時間のプログラムがあっという間に過ぎていきました。

特にプログラムの後半で行ったカラーシミュレーションでは、
参加者の意見を反映して建物の表情が刻々と変化していき、
とてもインタラクティブ(双方的なやり取り)で刺激的な光景でした。
ワークショップの形式もどんどん進化させていきたいと思っています。

以下、当日の流れをプログラムに沿ってご紹介いたします。

好きな色で彩るとどんな町並みができる?

00

まず初めにまちの一角を切り取り、家々を好きな色で彩ってもらいました。
ここでは参加者の方々に “ まちなみとしての調和を考えず ” に
色を選んでもらったため、とてもユニークな配色のまちなみが出現することに!!

 

02

色票をもとにお好きな色を選んでもらいます。

04Aグループの配色例

05Bグループの配色例

実際の町並みはどういう色でできている?

06

続いて会場の外へ出て、測色(色を測ること)を体験しました。

07

実際に建っている建物の色がどのような傾向にあるかを確認するため、
測ってきた色はマンセル値に置き換え、客観的な数値データにします。
上の写真はそのマンセル値をもとに表へプロットしている様子です。

08
こちらが出来上がったプロット図。
好きな色(緑) 気になる色(青) 嫌いな色(赤) をシールで貼り分けました。

09

できあがったプロット図から何が読み取れるのか解説をしています。
限られた時間内での測色体験でしたが、表に貼りだされたシールからは、
特徴的な分布の傾向があることを確認できました。

家の色を再び考える

建物の慣用色(ふだん多く用いられている色)の幅を理解した上で、
周辺環境に馴染む調和方法を検討しました。
調和を図りつつも単調なイメージにならないよう、多くのバリエーションが生まれました。

00

10

11

12

具体的なカラーシミュレーションによって将来イメージを描く

さらに詳細な色彩調和と地区の将来像を検討するため、
大通りに面した建物群のカラーシミュレーションを行いました。

13

現況の町並み写真を元に様々な配色方法を参加者のみなさんと一緒に考えました。

 

19

18

17

16

15

以下は検討した案の一部です

●建物を単色でまとめた例

●類似色調和型の例

●類似色調和型 + 白いアクセントを加えた例

●トーン調和型の例

●色相調和型 + 白いアクセント + 緑を加えた例

立体的なマテリアルパレット

また、今回のワークショップでは地区で用いられている色・素材を
マンセルの色立体に組み込み、視覚的にわかりやすい表現を試みました。

20

地域の建物で用いられている素材によるマテリアルパレットです。

21

こちらはマンセルの色立体です。
この立体の中にマテリアルパレットを組み込みます。

22

23

データは3Dデータなので、その場でクルクルといろいろな角度に回転することができます。
ダイナミックなビジュアル表現によって、色の分布を感覚的にとらえることができるようになりました。

CGソフトを利用し参加者のみなさんとその場でカラーシミレーションを検討したり、
最新のソフトによってマテリアルパレットを立体化を行ったりと、
色のワークショップの可能性は日々広がっています。

今まで色について深い知識がない方でも、気軽にそして楽しくご参加いただける
プログラムを今後も展開していきたいと考えています。

色彩ワークショップに関するご質問やご相談は<こちらのフォーム>からお願いいたします。

Pocket