香里三井団地外壁修繕に伴う外装色彩計画


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場所:大阪府寝屋川市
年度:2015年〜2016年

設計・監理:株式会社藤和設計
事業主:大阪府住宅供給公社
外装色彩計画:クリマ

今回担当した大阪府住宅供給公社のプロジェクトの中で最も住棟数が多く、一度に9棟の改修が実施された。外装色彩計画に着手する際、既にいくつかの住棟では耐震補強工事が完了しており、この耐震ブレースの色を考慮し、武骨な印象を与えがちな構造体を外装の配色をできるだけ一体化させることを試みている。

具体には、柱・梁型の明度(明るさ)を耐震ブレースに合わせ、一段下がった外壁面を3色でランダムに塗り分けることで、水平・垂直のラインを強調しながら、均質になり過ぎないファサードをつくり出している。また、妻面では特徴的な目地を活かし、ブロック状の配色を施した。周辺にも同規模の住棟が林立し、本計画敷地においても8棟分の妻面が通りに面して連続するため、隣り合う住棟同士の配色に変化を付け、まちなみにリズミカルな変化を与えることを試みている。

汚れの目立ちやすい庇やバルコニースラブには、積極的に低明度色を用いた。また、階段室が多く、郵便受けを確認しないと室番号が視認できない状況であったことから、階段室のスラブ部分に号棟・号室をシンプルな数字のみで表記することとした。改修においてはその場所・地域の特性に応じた色の使い方はもとより、このような小さな工夫でも新しい要素を加えることで、より快適で暮らしやすい環境の創造を目指している。

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