豊かな色彩環境の再構築
広大な敷地に約8,000戸の住戸が集積する、都内屈指のマンモス団地。団地内には多くの広場や公園、保育施設などがあり、活気とにぎわいに満ちた環境が形成されている。
長年、改修においては明るく穏やかな色調が展開されてきたが、板状住棟のボリューム感の緩和には適度な対比や分節化が必要との認識から、団地全体の構成やエリアごとの特性を考慮し、主要な視点場からの見え方に配慮した配棟配色およびカラーシステムを構築した。距離を置くと外装色は同等に見えるが、近づくと基調色相が認識される。さらに近づくと樋や手摺壁の凹み部分など形状に合わせたアクセントカラーが見え隠れし、中・近景における豊かな変化の構築を目指した。
また、団地内の貫通通路は地域の多くの人が行き来することや新規入居の促進を図るため、足元周りの視認しやすい位置に住棟番号サインを展開している。