地域のらしさを育む景観づくりの手引き
平成26年度、約一年をかけ甲州市内の様々な地域や季節毎の彩り、建物外装色の調査を行った。その結果や成果を元に、現況や社会情勢に即した色彩基準(案)の検討を行い、関係各所や甲州市の審議会の意見聴取等を経て、「甲州市色彩景観づくりの手引き」をまとめた。
建築・工作物外装の色彩基準はあくまでネガティブ・チェックであり、基準があるから・準拠しているからといって美しいまち・快適で働きやすいまちがつくれるわけでは決してない。しかしだからといって、地域の良好な資源や持続的なまちづくり活動を無視した無秩序な状態が、甲州市の歴史や文化が身近に感じられる「甲州市らしい」の景観の創造に繋がる可能性は極めて低いのではないだろうか。
基準はあくまでネガティブチェックであることを前提に、豊富な事例や市の取り組みをもとに『景観まちづくりの手引き』を製作した。色彩基準の意図するところやふさわしい景観とは、ということを市の担当者と事業者、そして市民がともに考えながらまちづくりを進めて行けるよう、さまざまな工夫を盛り込んでいる。
甲州市ではその後、2020年に景観への影響が大きい大規模建築物や屋外広告物等への配慮事項や事例をまとめたヒント集を作成、美しい果樹園景観の拡がる景観まちづくりの実践が続けられている。