環境特性を表わす外装色彩とサインデザイン
都心に立地する1棟タイプの団地。外観がタイル張りであることから、一見、民間の分譲マンションのような趣きを持つ。
一方、塗装部分の色は明度・彩度のやや高いY(イエロー)系の色調が使用され、文教地区が持つ風格や落ち着きのある雰囲気にそぐわない印象を与えていた。
外装の色彩計画は既存のタイルが持つ色相に合わせ、明度・彩度を十分に抑えるという、ごくシンプルな改修だが、エントランスおよび屋外環境の改修に合わせ、内外のサインもトータルに検討を行った。
計画地の周辺一帯は近代文学発祥の地として知られており、森鴎外や樋口一葉など多くの作家が居住していた。
サインのデザインはこうした環境が持つ歴史や文化資源を参照し、フォントには筆跡を思わせる滑らかなラインを持つものを選定、ペン先を模したロゴマークを併せてデザインした。
新しいサインは館名板をはじめ、駐輪場や共用部の室番号など、トータルに展開されている。